切欠は、中性的な顔立ちをした、銀髪の青年の勘違い。

手渡されたのは一本の斧だった。

―薪が綺麗に割れない

どこか違う。でも、身体に伝わる鈍い重みは、似ている。

すぐに何かが掴めそうな気がするのに、手が届かない。

気がつけば…黙々と、がむしゃらに、それでも何かを掬い取ろうと…斧を振り下ろし続けていた。

単調な作業。不思議と飽きが来ることもなく

手探りで宝物を探しているような感覚を覚えて、夢中になれた。

―少なくとも今だけは、目の前の事に没頭する事が出来た



……次第に腕が上がらなくなってきた

自分なりに研いだ神経も悲鳴をあげて
頭に痛みを訴え、思考が戻ってくる

「それでも、あと少しだけ…」と
押し寄せる思考を無理やり、押し返そうとした時

ぱきん、と一筋の線が眼前の薪を裂いて、綺麗に割れた。


どうやら無意識に、肩に力が入り過ぎていたらしい。

瞬き、物思いに耽るように目を閉じ、複雑そうな苦笑を浮かべて
腰を着き、仰向けに倒れこんだ。

――

「…役に立てた、かな」

微かな実感に斧を握り締め、水分を失いかけた喉を鳴らすも、返事は返って来ない。

でも…思考と共に還ってきた胸の内の痛みは、ちょっとだけ和らいでいた、気がした。
 


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以下、背後の独り言となります。
 

あ、薪散らかしっぱなしΣ(ロ`)でもきっと後片付け失念してるはず←

斧が手に馴染んだかな、と不安で一杯だった闘技大会。
ゆけーなぐってこーい雪んこー！と先週言われた気がしたので…ディバイド一本にしてみました。
活性化間に合ってよかった…危うく正当防衛で特攻するところだった。←
ビギナーズラック？ ダブルトリガーも多めだったかも。

飴っこさんに猫さんはありがとうございました。明日も宜しくお願いします。